自律神経を整える

私たち人間の生命維持に欠かせない役割を担う重要な要素の1つである自律神経。そのバランスが乱れると、体調面に様々な弊害が引き起こされてしまいます。

いったい何が起因してそのような状態となってしまうのでしょうか。自律神経について基本的な部分を踏まえながら、その改善策について考えて行きたいと思います。

自律神経とは

心臓の拍動や、胃や腸といった消化器官の働きなど、人間の生命を維持するには体内のあらゆる器官の働きが不可欠です。

しかし私たちは、それらの働きについて、手足を動かすのと同じように自分の意志でコントロールすることはできません。血液を全身に循環させるための心臓の鼓動も、胃が食べ物を消化する際に行う蠕動も、自らの意志とは関係なく、言わば勝手に動いているものと言えるでしょう。

このように、無意識状態で体内器官を活動させる際に用いられる神経が、自律神経です。 人間の身体を構成しているあらゆる器官は、脳からの指令に従って機能しています。

それは、自らの意志でコントロールできない無意識化での各器官の活動も同様です。意志が介在しない生命活動について脳からの指令を全身に伝達すること。それが自律神経の働きに相当するわけです。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つに大別されます。主に、目覚めて活動している時および緊張している時などには交感神経がメインとなり、睡眠中やリラックス状態にある時に働くのが副交感神経となります。

交感神経と副交感神経は身体器官に相反する作用をもたらし、どちらか一方が優位となる関係性を持ちます。

自律神経が関与する目の瞳孔の変化を例に見てみましょう。

人間が起きている時、瞳孔は視力を働かせるべく光を多く取り込もうと散大します。これは交感神経が優位に作用し、瞳孔を大きくするよう促していることに伴う反応です。反対に、睡眠状態に入ると瞳孔は縮小します。その時には、副交感神経により瞳孔を小さくする作用がもたらされているわけです。

その例と同じく、身体を構成する各器官それぞれに、交感神経と副交感神経いずれかがメインとなる状態があります。 概ね、活動時には交感神経が主となり、副交感神経は休養や栄養補給時には副交感神経が主となる傾向が見られると言えるでしょう。

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自律神経が乱れる要因とは?

前項のように、自律神経の働きには、交感神経もしくは副交感神経のそれぞれがもたらす2面性があるわけです。両者がバランス良く働くことで、自律神経は正常に機能するものと言えるでしょう。

逆に言えば、交感神経と副交感神経のバランスが崩れれば、自律神経の調和が乱れてしまうことになります。一般的に自律神経失調と呼ばれる状態です。症状としては、心臓の動悸・身体のだるさ・便秘や下痢・頭痛・痺れ・ほてりなどが挙げられます。それらは概ね、交感神経が過剰に働くことによる反応となります。

その主な原因とされているのはストレスです。強い緊張状態に晒されると、自律神経は交感神経側に大きく振れる状態となります。

活動時の自律神経を司る交感神経の働きは、言い換えれば各器官にエネルギー消費を促す反応と同じです。それが過剰に働く状態が長時間継続されれば、身体器官は疲弊してしまいます。

また交感神経の過剰反応が常態化し、身体を休めるべき時に充分に休めない体質となってしまいます。それに伴い、身体機能が低下し、自律神経失調症の症状として弊害が現れるわけです。

自律神経を整える方法

上記のような交感神経の過剰反応を抑え、自律神経を安定させるにはどうすれば良いのでしょうか?

これまで見てきた自律神経のメカニズムに照らし合わせて考えると、副交感神経の働きを促すという答えが導き出されるでしょう。交感神経側に偏る自律神経の状態を、副交感神経側に戻すことで、バランスを取ることができるわけです。

では、副交感神経を優位にするにはどうすれば良いのでしょうか?

最も重要なのは、自律神経失調の引き金となるストレスを解消することです。そもそも、交感神経が過敏となってしまうのは、ストレスにより過度な緊張状態が加えられていることが原因です。 その要因を除去すれば、交感神経が落ち着き過剰反応を軽減できるでしょう。

ストレスの解消方法は個人の性格や特徴により様々です。趣味に没頭する・身体を動かす・リラックスできる時間を設ける・それらのように、自分にとって心地良いと思う行動を取ることで、ストレス軽減に繋げられるでしょう。

また、何がストレスの原因となっているのか見極め、その解決のために手段を講じることも有効です。

ストレス解消に合わせて、生活習慣の改善を取り入れれば、さらに自律神経を整える効果が得られます。適度な運動、栄養的にバランスの取れた食事、充分な睡眠。それらを確保する生活習慣を維持することで、自律神経失調が引き起こす体調不良を改善に向かわせられるでしょう。

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まとめ

以上のように、自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、健康維持にはそれら2つのバランスを適度に保つことが重要であることについて見てまいりました。

自律神経失調の主な原因となるストレスへの対策を取り、健康的な生活習慣を実践することが重要です。

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