直立した際、両足がまっすぐ揃わず間に隙間が生じてしまうO脚。見た目の不格好さのみならず、放っておくと健康上弊害をもたらすおそれがあり、どうにか改善したいもの。
そもそもO脚になってしまう原因は何か?矯正する方法としてはどのようなものがあるのか?そういったところについて見ていきたいと思います。
O脚の種類
まっすぐ立った時、通常なら両足がきれいに揃い、足と足の間に隙間はほとんど生じません。しかしO脚では、左右の太腿・膝・脛などの間に隙間が現れてしまいます。どの部分に隙間が生じるかによって、O脚のタイプが分類されます。
典型的なO脚では、太腿・膝・脛に隙間が生じます。とくに膝関節部分に大きな開きが見られ、正面から見るとアルファベットの『O』のような下半身形状となります。それがO脚という名称の所以となっています。
太腿から膝にかけては揃うものの、膝関節の下部分から左右に離れているタイプも見られます。歪みが進行すると膝上部分にも隙間が開き、より悪化した状態である典型的タイプへと変化していくでしょう。
足の付け根すなわち股関節部分で両足の開きが生じているものもO脚の一種です。いわゆるガニ股と呼ばれる形態を指します。
左右の膝は密着するものの、太腿と脛同士は離れているタイプもあります。正面から見るとアルファベットの『X』のような形状となるため、X脚と呼ばれています。
両足を揃えた時、密着する部分が膝とくるぶしのみの場合はXO脚となります。膝上にX脚の特徴が見られ、膝下がO脚となっている状態を指します。
O脚の弊害
様々な種類が見られるO脚ですが、いずれのタイプにおいても、そのデメリットは見た目の不格好さだけではありません。放置しておくと、いずれ下半身の関節に痛みや機能障害を引き起こすことになってしまうでしょう。
O脚が原因となって発症する関節の病としては、主に変形性膝関節症が挙げられます。これは、膝関節の軟骨がすり減り、膝に強い痛みが生じる病です。通常は加齢に伴い症状が現れてくるものですが、O脚の場合では関節の歪みが伴うため症状が悪化しやすいとされています。
それ以外にもO脚は、足底筋膜炎や外反母趾など、足底や足先の傷害発症のリスクともなります。足底筋膜炎とは、足の甲に張っている腱である足底筋膜に小さな断裂が生じて起こる病気です。地面に足を付いた時や歩行時などに痛みを伴います。
外反母趾は、足親指の付け根の関節が突き出すように変形する症状です。それに伴い、突き出した部分が履物と擦れ、痛みや炎症などが生じやすくなります。また、姿勢の悪さを助長することから、腰痛や肩凝り・頭痛を誘発する要因の1つともされています。
いずれも、アンバランスなO脚により関節や腱に不自然な力が加わることが、発症原因の1つと考えられています。
このように、O脚はスタイルの悪さばかりではなく、健康上様々なリスクを抱える側面をも併せ持っています。スタイルは気にしないからと言って放っておくことなく、しっかり改善すべきと言えるでしょう。
O脚の原因
そもそも、O脚になってしまう原因とは何でしょうか?
それには、病的な原因と生理的な原因の2通りが挙げられます。
病的な原因としては、骨の発育不全やケガなどが挙げられます。そのケースについて改善のために必要なのは然るべき医療措置を受けることと言えるでしょう。
もう一方の生理的な原因とはすなわち、日常生活の在り方を意味しています。普段の歩き方や座り方など姿勢の悪さや運動不足の積み重ねが、骨を悪い方向に矯正しO脚体型を作り出したと言えるでしょう。
O脚を改善するには?
日常生活の在り方が原因となって引き起こされているO脚については、自分で改善策を講じることが可能です。どのような方法があるのか見ていきましょう。
姿勢の改善
姿勢の悪さから生じるO脚は、その根本的原因である姿勢を正すことで改善が見込めます。
【まず歩き方について】
左右のつま先を正面に向けるようにしましょう。踏み出した後、体重を踵からつま先に移動させるようにし、親指の付け根で蹴るようにして地面から離します。
【続いて椅子に座る場合】
太腿と膝下が90度の角度で曲がるようにして座りましょう。両膝を揃え、つま先は正面に向けるようにします。足を組んで座るのは、O脚を促す座り方になってしまうので避けるよう心がけましょう。
正しい姿勢を維持するため、常に意識を向けるのは困難と言えるでしょう。その対策としては、矯正グッズの活用が有効です。それにより無意識時でも正しい姿勢を取りやすくなるでしょう。
主な矯正グッズとしては、靴の中敷きやサンダルなどが挙げられます。歩行時の足の重心を正しい位置にずらす作りとなっており、これによって両足の間隔が狭まっていくよう矯正されるわけです。
ストレッチ
ストレッチによって、O脚状態を矯正する方法もあります。その中で、効果があるとされる3種を挙げたいと思います。
まずは、四つん這いのストレッチ。
始めに、床に両手両膝を付いて四つん這いの姿勢を取ります。そして息を吸いつつ腹部を上に引き上げるように背中を丸め、15秒その体勢を維持します。その後息を吐きつつ背中を緩め、元の状態に戻ります。これを1セットとし、1日5セット行います。
次に、正座ストレッチ。
膝頭とつま先を揃えて1~2分間正座します。入浴中の湯船内など、筋肉が柔らかくなった状態で行うのが効果的です。
続いて、ふくらはぎのストレッチ。
椅子に腰かけて片足を伸ばし、つま先を胴体に向けて反らします。その状態でふくらはぎを撫でます。これを左右10回ずつ行って1セットです。1日3セット行います。
まとめ
以上のように、容姿の悪さばかりでなく関節や足の痛みを発症させるO脚について、その原因と改善策を中心に見てまいりました。
O脚が深刻な場合や痛みが生じている場合などには、医療機関などの治療を受けることが重要です。