座席に着いての作業がメインとなるデスクワーク。それが長時間におよぶと、おのずと腰回りに凝りが生じるものです。凝りが酷くなると痛みを伴うこともあり、仕事へのモチベーションも大きく削がれてしまうことでしょう。
なぜ、デスクワークで腰に負担が掛かるのでしょうか?そして予防のための方法とは?そういったところについて見ていきましょう。
テレワークなどによる腰痛について
PCを使用する業務を主体として、自宅でデスクワークに取り組むテレワークという働き方が近年普及してきました。しかし、それに伴って以前より身の回りで多く耳にするようになったのは、PC作業で肩や腰が痛くなってきたという声ではないでしょうか。
デスクワーク、とくにPCをメインに用いる業務においては、とかく肩や腰への負担が付いて回るもの。とは言え、オフィスで作業する場合と自宅で作業する場合とを比較すると、凝りが生じやすいのは自宅業務の方と実感されている方も少なくないと思われます。
なぜ職場と自宅という作業環境の違いで、凝り出やすさに差が現れるのでしょうか?
考えられる要因としては、テーブルや椅子の違いが挙げられます。
職場などで用いられるオフィス用の椅子やデスクと、家庭での使用頻度が高いダイニング用の椅子およびテーブルとでは、それぞれの高さが異なります。概ね、ダイニング用はオフィス用に比べ、椅子が高くテーブルが低いタイプと言えるでしょう。その差によって、肩や腰への負担が重くなりやすくなるわけです。
これは、床に座ってテーブルに向かう場合でも同様です。そちらのケースでも、テーブルの高さがオフィス用デスクの前に座った時より低くなることが主となるでしょう。
原因と注意点
なぜ、テーブルの高さが低いとPC作業時の凝りがより一層助長されてしまうのでしょうか?
それは、作業時により一層凝りを誘発させてしまう姿勢を取りやすくなってしまうためと言えます。
肩や腰の疲れに繋がってしまいがちなデスクワーク時の姿勢として、頭部・肩・背中を丸めるようにして前方に向いてしまう、いわゆる猫背などのような前のめりが挙げられます。
テーブルが低く、高さが適度でなければ、その上にあるPC画面を見るためさらに前のめり姿勢が促されてしまうわけです。
デスクワークに伴う腰痛の予防策としては、まず作業時の姿勢改善が第1と言えるでしょう。人間の体幹部分の骨格や筋肉は、直立時に重量物である頭部を適切に支えられるよう配置されていると考えられています。
つまり、まっすぐ立っている状態の背骨の形を維持することが、腰への負担軽減には有効と言えるわけです。それを踏まえると、背筋をまっすぐ伸ばした座り方をすれば、腰への負担が少なくなると考えられます。
背筋を伸ばす座り方を習慣付ける上で、テーブルを適度な高さに設定することは有効と言えます。おのずと前のめりを避け背筋を伸ばす姿勢に近づけられるようになるでしょう。
腰や肩および首周辺の凝りは、主に筋肉の緊張によって生じます。着席しての仕事など、動きの少ない姿勢を長時間取ることで筋肉の緊張し膠着状態となるわけです。加えて、負荷の掛かりやすい座り姿勢であるとより凝りや痛みの発症リスクが高まります。
このような筋肉の緊張状態を解くには、一定時間ごとに身体を動かすことが有効です。それにより血行が改善され、緊張で固くなった筋肉がほぐされます。一般的に、1時間のデスクワークにつき10分程度の休憩を取り、その際に柔軟運動などを行うことが推奨されています。
腰痛予防のための対策にストレッチ
1時間置きに挟む休憩でストレッチなどを行えば、凝りや痛みの予防となるでしょう。
ここでは、腰痛への予防効果が期待できるストレッチを見ていきたいと思います。
まず、「体側伸ばし」。
始めに、両足を肩幅より広めに開いた状態で立ち、両腕を上に伸ばします。その状態で、一方の腕をもう片方の手で掴み、腕を伸ばしている方の胴体側面を反らせるように、上体を横に曲げます。その時、上体が前や後に傾かないよう注意しましょう。
反対側についても同じ手順で伸ばします。
座った状態で行えるストレッチとしては、「上半身ひねり」が挙げられます。まず、骨盤から背骨に渡ってまっすぐ伸ばした座り姿勢を取ります。その状態で、後方を見るようにして腰を左右にひねります。椅子の背もたれなど、固定物を掴みながら行うとより効果的でしょう。腰から背骨が前や後に傾かないよう注意しましょう。
まとめ
以上のように、デスクワークなどのPC作業で起こりがちな腰その他の凝りや痛みについて、その原因と対策について見てまいりました。
PCの置き場所の適切な高さを保ち、作業の合間にストレッチを行うことで、高い予防効果が得られるものと思われます。